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4巻のあのシーンを語りたい!「ここは今から倫理です」

もちろん以前から大好きな漫画のひとつではあったんですが、今回はあるワンシーンに言及したくて「ここは今から倫理です」の紹介をさせていただきます!

 

あらすじはこちらです!

 

春。高校3年生らは体育、情報などから1つの選択科目を受けることになった。抽選が行われるほど人気の授業もあれば、受けることすら嫌がられるものもあった。その中で、倫理の授業が行われる教室には15人が集まる。倫理を受け持つ高柳は最初の授業で、「倫理は学ばずとも困ることはない」と、冷淡な様子で説明する。その言葉にある生徒は圧倒され、ある者は嫌悪し、ある者は尊敬の目を向ける。

その生徒の一人、教員の中でも有名な問題児である逢沢いち子は、高柳に艷やかな視線を向ける。1年前の出来事がきっかけで高柳に興味を抱いていた彼女は、授業後に高柳を誘惑しようとするも「自分が好きなのは教養のある女性だ」とあっさり受け流され、プライドを砕かれる。彼を見返してやろうと、手始めにボールペン字のテキストを手に取ったのをきっかけに、いち子は勉強にも関心を持ち、素行も改善されていく。

そんなある日、その裏で不満を募らせていた元セックスフレンドの男子生徒らにいち子は強姦されかかる。そこへ1年前のように高柳が現れて、言葉だけで彼らを追い払う。いち子は、彼女を慰める高柳の笑顔を見て、突発的に恋愛感情を告げ、彼に見合う教養を持った女性になると宣言する。そんないち子に、高柳は「愛こそ貧しい知識から豊かな知識への架け橋である。」(マックス・シェーラー)という言葉を言い残して去る。(wikiより)

さらっとよんでいただけたらお分かりのように、一風変わった、しかし真剣な倫理の教師の高柳先生と問題児たちが交流するのが主題の学園ものです。

このお話の高柳先生は信念をもって生徒にがんがん関わっていくようなスタイルではありません。ある意味ではリアリストにすぎるのではないかという態度と言葉を生徒たちになげかけることで、学生たちに答えを出すことではなく考えることを促すのです。そのため高柳先生は問題提起を行うだけで、理想の回答を指し示さずに終わることもあります。

実際こんな先生がいたら、無責任だの主張がはっきりしないだのという批判も出るかもしれません。

しかし、高柳先生は人間とは矛盾を抱え、感情的で、変化していくものだということを伝えてくれようとしているのかなとかぷりは思いました。

 

さて、ここからはネタバレの時間です。

ネタバレと言っても、第4巻のあるワンシーンに対する言及です。
ただそのシーンが好きすぎたので、この場を借りて叫びたい!というただそれだけなのです!

先のあらすじにも出てきた逢沢いち子さん。

彼女は高柳先生にくびったけで、直情的なきらいはあるものの、高柳先生と対等につきあえるよう彼女なりに頑張っていました。
その結果として表に裏に周囲との衝突も起きるのですが、高柳先生の助言もあり、結果として+の方向への変化となりました。
そしてさらに想いをつのらせる逢沢さんは、卒業式の日に高柳先生へと告白をします。
教師と生徒ではありますが、18歳を迎えて卒業し、一人の女性としての正々堂々とした勝負です。

しかし、高柳先生の返事はNO。
もっと素敵な人がいる、これから貴方の世界はもっと広がると、子供を諭すような理由を並べます。

 

当然、納得できない逢沢さんは食い下がります。

 

その逢沢さんに高柳先生は突然質問を投げかけます。

 

将来、結婚や子供のことを考えているかと。

 

逢沢さんは戸惑いながらも、結婚はしたいし、子供はほしいと答えます。

 

すると高柳先生はいつものどこかもの寂しそうな表情で

 

「私は結婚には懲りたから」「もうしません」

 

と逢沢さんを振った理由を伝えるのです。

 

逢沢さんは絶望のあまり走り出し、告白を応援してくれた友達にすがりつきながら

 

「汚い
大人って汚いよ……」

 

と泣きじゃくるのでした。

 

このシーンを見た時、かぷりも同じく号泣です

 

逢沢さんの汚いというセリフが何を指したものなのか、作中では名言されていません。
逢沢さんの結婚観や育児観を引き出して、言質をとるようにしてからそれを否定したやり口なのか。
それとも、彼女の想定していたような自分が子供だからという類型的な否定ではなく、一人の人間としてみた上で、将来のことは考えられないという有無を言わせぬ拒否だったからなのか。

 

なんにしても一つ言えることは、高柳先生は一人の教育者として逢沢さんの気持ちをまっすぐに受け止め、そして真っ向から否定したのだということです。

おためごかしでもきれいごとでもなく、ぶつかり合うような否定の仕方に、高柳先生の不器用さ、愚かさ、そして逢沢さんを想う気持ちを見ました。

 

 

終わりに

今回のシーンがあまりにも心に刺さったので、紹介させて吐き出させていただきました!
もちろん、他の巻も考えさせられるものばかりですが、きわどい内容をガンガン扱っていて読み応えありです!
しかもレギュラーメンバー卒業を機に、また新しい問題児たちを取り揃えて連載継続中ですよ!

かぷりは雨瀬シオリ先生を応援しています!