今回はこちらです。昨今アニメも大人気の『映像研には手を出すな!』
アニメ制作の漫画のアニメ化というかぷりも書いててなんだか分からない感じですが、面白いことは間違いないです。
それではあらすじ行ってみましょう!
高校生になった浅草みどりはアニメを作りたいという夢があるが、なかなかそれを行動に移せないでいた。それでもまずはアニメ研究会見学に、と悪友の金森さやかとともに訪れたそこで、何故か屈強な男に追われる水崎ツバメと出会う。彼女には実はアニメーターになりたいという夢があったが、親にそれを反対されているという。
アニメを作りたいみどり。
アニメーター志望のツバメ。
その二人の様子から金の匂いをかぎとったさやか。
3人は団結してアニメを作るために「映像研」を立ち上げる!
高校生女子3人組による青春グラフィティですね!
そして、この女子高生3人という設定にも関わらず百合要素や萌え要素一切なし!ある意味で潔さを感じちゃいます。
作者の大童先生が作りたいものを作りたい!という気持ちがそのまま漫画になったような作品ですよね。はぁ、ほんと尊い……
かぷり的おすすめポイントはこちらです!
好きなものに突っ走れ!
アニメは設定命!を掲げる浅草みどり。
かぷりが既刊を一通り読み終わった後にまずやったことは「みどりちゃんの書いた設定資料を全部読み直すこと」でした。
作中にみどりちゃんの考えた空想の世界の設定が出てきます。内容は子供のころ空想好きだった人なら一度は考えたことのありそうな、秘密基地、すごい機械、ここではないどこかの風景、宗教や時代背景、動物の生態など多岐に渡ります。
それが見開きページでドン!と描かれていて、その内容がすごく緻密なんです!
読むだけで心のどこかをくすぐられてわくわくしちゃう。そんな設定がなんども出てきます。これだけでも一見の価値ありだと思います。
アニメーターとは「みせる」こと!とばかりにこだわる水崎ツバメ。
彼女は親からアニメーターを反対されています。そしてカリスマモデルでもあり、周囲の期待もそちらの世界へ向けてのものが多いようです。
しかし、彼女にはそんな周りの意見など跳ね返すような熱い情熱があります!
眉目秀麗な彼女が、アニメの登場人物のほんのわずかな挙動や表情になると、とたんに別人の様に語りだすのが、かぷりとしては可愛くてしかたなかったです!
何はなくとも金でしょう!と金森さやか。
彼女はお金にならないことは大嫌い。だからすべてそれがどれだけ儲かるか、を基準に考えます。そして、それを売るためのスケジューリング、外部との交渉、資産・資源の確保、コマーシャル……これも一つの好きだからこそのこだわり、ですよね。
実際彼女は先の全てを一手に引き受けて、高校生らしからぬ行動力でがんがん形にしていきます。彼女の行動も語り口も見てて小気味いいですよ!
3人組の凸凹具合がいい!
みどりちゃんは基本的に小心者で、設定をつくることや自分の興味の向いたことにはすごい能力を発揮しますけど、それ以外に関しては見た目通りの小動物ムーブでなかなか行動を起こせません。
さやかちゃんは金儲けが好きなだけあって、徹底したリアリスト。しかしそれは合理的でないものを切り捨てるわけではなくて、クリエイターの特性や感情、こだわりを慮ったり、どうにか現実的な着地点を探すことにやっきになったりします。
ツバメちゃんはいかにも芸術家肌のこだわりと独自の視点を持ち、作り出すものもハイクオリティなのですが、どこか浮世離れしていて、ついつい自分のこだわり優先になったりします。
それぞれがそれぞれにとんがった個性の持ち主で、普通ならそれぞれの力を活かすのは難しかったでしょう。
しかし、みどりちゃんが暴走して世界を作り上げ、ツバメちゃんがそれを絵に叩きつけ、暴れまくる二人をさやかちゃんがまとめ上げて形にする、と誰一人欠けてもうまく行く姿がおもい描けなくなる奇跡の3人組なんです!
いいですよねぇ。こういう、個性が全然違うのに仲良くできる関係。
ちなみにかぷりはこの3人の中ではさやかちゃんが一番のお気に入りです。
どこかドライで厳しいさやかちゃんですが、みどりちゃんとツバサちゃんがアニメを作ろうとするのを影で駆けずり回って支える姿がほんとにぐっとくるんですよ……!
かぷり的にはイチオシです!
終わりに
いかがだったでしょうか?
夢にあこがれてそれだけに情熱を突っ込んでいく姿を描いた今作は、誰でも共感できる部分があると思うおすすめ作品です。
このまま3人が走り続けて、どんな作品を作り上げていくのかが楽しみです!
かぷりは大童澄瞳先生を応援しています!